シャンク(Shank)とは
シャンク(shank)の正式な名称はシャンク・ピース(shankpiece)と言います。
日本では「ふまず芯」とも呼ばれている靴の部品なんです。
シャンクは靴の背骨のような役割
シャンクとは本来、「足の土踏まず」を指す言葉でもあります。
「ふまず芯」日本語で書くと想像できるかと思いますが、靴の土踏まずの部分にまるで背骨のように
入っていますので、私たちが説明するときは『靴の背骨』と伝えています。
靴の種類や製法にもよりますが、私たちがつくる金属製シャンクは中底に張り合わせたり、埋め込んだりする部品ですので靴を解体しない限り見ることはできません。
空港の保安検査で靴を脱ぐよう言われた経験はありませんか?
靴の中に金属製のシャンクが入っていることが理由かもしれません。
シャンクはどんな靴に入っているの?
それでは、シャンクはどんな靴に入っているのでしょうか?
実はいろんな靴に入っているのですが、当社が作る金属製シャンクが使われている靴はヒールがある靴に入っています。
代表的なものは女性用のパンプス(シューズ)・サンダル・ブーツで、もちろん紳士用のビジネスシューズなどにも入っています。
男女共通の靴としては安全靴や作業靴、登山靴にも入っています。
是非ご自宅にある靴で、シャンクが入っているかどうか確かめてみましょう。ふまず部分に力を入れても曲がらない場合は、シャンクがしっかり入っている証拠です。
スニーカーにシャンクは入っているの?
スニーカーにはシャンクが入っているのか気になりますよね?
シャンクが入っているスニーカーもありますが、当社の作る金属製シャンクが入っている場合は稀です。
スポーツ用のスニーカーには軽さや走りやすさなど運動性能に特化しており、金属製ではなく樹脂製のものが使われる傾向にあります。
またスニーカーは部品としてのシャンクではなく、シャンク機能を持たせたものが多くあります。
例えばソールのふまず部分に硬い材質に置き変え一体化させてあったり、ソールの厚みを調整し機能を代用している物など様々です。
つまりシャンクには『部品のシャンク』と『機能のシャンク』と2つの側面があるのです。
用途に合わせたいろいろなシャンク
金属製シャンク
最も⼀般的に使⽤されているのが⾦属製シャ ンクです。価格と⽣産性が良く、十分な強度と適度なバネ性があります。
木製とプラシャンク
主に昔ながらの製法で作られる靴に入っている場合が多いです。他にもファイバー製や革製のシャンクがあります。
シャンクのような機能
スニーカーにもシャンクが⼊っている場合もありますが、⼀般的にソールにシャンク機能 が備わった商品が多いです。
当社は金属製シャンクの専門会社です
約2,000種類の金属製シャンクを取り扱っています
田中務補商店では創業から約60年、お客様のご要望にお応えするためサイズ展開なども含めると約2,000種類及ぶ製品を提供してきました。
ヒールの高さや強度、踏まず部分(アーチ)の形状に合わせた様々な金属製シャンクを取り揃えております。
良い靴は良いシャンクから...
シャンクにとって正確な形状(アーチ)は生命線です。
シャンクが合ってなければ靴もその性能を発揮できません。
当社では誰がどの時期に作っても正確に同じ製品を作り出せる独自の検査方法を行なっております。
金属製シャンクとサルヴァトーレ・フェラガモ
実は金属製シャンクは1931年にサルヴァトーレ・フェラガモが発明したものなのです。彼は幼い頃から靴作りに精通しており、靴の発明家としても有名でした。彼の発明した金属製シャンクのおかげで、今までより軽くて丈夫な靴が作れるようになり、靴のデザインの幅も広がるようになりました。
他にも彼の発明にまつわるエピソードをご紹介します。金属製シャンクが発明されたその後、1936年にエチオピア戦争の影響による物品統制にて、シャンクを作るための良質な鋼(はがね)が入手できなくなりました。そこでフェラガモは、シャンクがなくとも土踏まずを支えられる形状として踵から爪先まで一体になったコルク製のウェッジソールを発明しました。コルク特有のバネのような弾力性もあり、シャンクに代わる機能性も十分でした。これは1930年代の靴にとって最も革命的な発明と言われ、その後現在までウェッジソールは数十年おきにブームを繰返し、すっかり定番化しました。